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2007年2月28日 (水曜日)

2007年2月1日-2月28俳句日記

♪(*^。^*)♪ 2007年2月28日 水曜日

山ねむる山のふもとに海ねむるかなしき春の国を旅ゆく 若山牧水

雪降れり時間の束の降るごとく  石田波郷

牡丹雪時をゆるめるごとく降る  永田耕一郎

書初に夢の一字を大書せし
夜業せし朝の粕汁葱香る
ほの青き泉の岸の氷柱かな
ほの青き氷柱を踏みて泉汲む
峠より見下ろす下界花の雲
峠越えしてしばらくは花の雨
湯島より見下ろす上野花の雲
富士山を近くに寄せて花の雲
椿咲く火山の島は行きたいな
雪の夜のほうたん被り母やさし

♪(*^。^*)♪ 2007年2月27日 火曜日

海はみな白魚になれ春の雪  樗堂

木札には虚子の句ひとつ白牡丹
牡丹にこころ遊ばすこのところ
雑木林抜けていきなり雪の富士
落葉松の林に浮かぶ雪の富士
白樺の梢の上に雪の富士
出湯宿谷川に沿ひて梅日和
漣の近く聞こへて雛の宿
せせらぎの一夜聞こへし雛の宿
裏富士の畦の青みや雛の宿
如月の淡き桜を求む旅
春雨に売れる大根葉鮮やか
水菜など買ひて互ひに俳談義
蜜柑など買ひてやがては俳談義
芭蕉慕ふ旅立ち雛まつり
西行を慕ふ旅にて花の雨

♪(*^。^*)♪ 2007年2月26日 月曜日

わが妻も絵に描き取らむ暇(ぃつま)もが旅行く我(あれ)は見つ偲はむ  万葉集20-4327

百姓であるかやつぱり晴れの日は仕事をさがす筋骨 時田則雄

雪残る頂一つ国境  正岡子規

ひとりづつ菫のブーケ卒業す  富岡桐人

月光は眩しからずや吾子の眼に 富岡桐人 

富士の雲ふつと切れたる余寒かな
夢二展出たる町角冴え返る
自転車の時折きしみ冴え返る
漣へ降込む唾また一輪
梟の彫物を売りし雛の宿
野焼の火ひとつ離れて飛びにけり
枯菊を焼きし煙の芳しき
修善寺の御手洗しぬくき雛まつり
修善寺の篁の径梅の花
永らへて団子食ぶるも古稀の春

♪(*^。^*)♪ 2007年2月25日 日曜日

竹久夢二明治17(1884)ー昭和9(1934)
年岡山県生まれ

ゆく秋の山の谷々わが母はいかに寂しく隅たまふらむ  竹久夢二

時雨るるや眉引きなほす大徳寺  竹久夢二

病葉の電子メールが届くたび水の光はゆれてかなしむ  加藤治郎

寒梅や雪ひるがへる花のうへ 蓼太

梁塵秘抄 
 遊びをせんとや生れけむ 戯(たはぶ)れせんとや生れけん
 遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動(ゆる)がるれ

座りては眠たき電車春うらら
白梅の綻ぶ宮に恋の絵馬
囀りの駅に久しき友待ちぬ
チューリップ活けし内科の月曜日
夢にさへかの大輪の寒牡丹
夢にさへかの大輪の白牡丹
マフラーに黒髪隠し眠りけり
マフラーに隠れし顔のいとしけり
マフラーに漏れる寝息の穏やかに
菜の花の雨ともなりし医者通ひ 

♪(*^。^*)♪ 2007年2月24日 土曜日

舟唄の最上川(もがみ)をくだる四温かな 黛まどか

山茶花や濡らして返す男傘        黛まどか

残雪や釣竿矯めの火を熾し  きくちつねこ

天の川修羅と渦巻く地の踊り 志城柏

雪のこるくらさあかるさなどという  津根元潮

紅葉よりさびしきものが山あるく  津根元潮

チューリップ親指姫の生まれさう
チューリップ親指姫と逢ひさうな
一人来て百合鴎にぞ語らひぬ
ふと逢ひしかつての上司木の葉髪
パン屑を撒く白鳥を呼ぶために
広々と関東平野白鳥来
ポストまで菜の花畑や投稿す
菜の花の小道のポスト投句する
小学校花壇いつぱい花菜が咲く
風船の飛んでいく先花菜畑
チューリップ籠に溢れし内科院
菜の花のあまた咲きしと旅便り
息つめて眺めるばかり寒牡丹

♪(*^。^*)♪ 2007年2月23日 金曜日

鶏鳴や風まだ寒き辛夷の木    百合山羽公

冬雲を山羊に背負はせ誰も来ず  百合山羽公

寒紅の濃き唇を開かざり 富安風生

韓国の小豆粥炊く冬至かな  河英美

うれしさも一杯ありて松明ける 麦秋
ちぎり絵のポインセチアは君のため
着ぶくれて来し山坂を返り見し
春愁ひ電子メールに君の文
うたた寝や春の足音そこかしこ
うたた寝に聞く滴りぞ春の雨
夜勤して葱たっぷりの粕の汁
自転車の空気抜けてる小六月
雪椿古希は老いとは呼び難たく
ロシアよりやうやく白鳥飛来せし
夕時雨花束持ちて小走りに 

♪(*^。^*)♪ 2007年2月22日 木曜日

天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出し月かも  阿部仲麻呂

天の原かがやき渡るこの月を異境にひとり君見つらむか  大津留温

春そこに丸に四角に水溜り  林田紀音夫

千代経べき物を様々子日(おのび)して  芭蕉
鴬の音にだびら雪降る  凡兆

子日とは正月の最初の子の日。

囀りのまつただ中に目覚めけり
蕗の薹赤子が笑ふごと開く
切り立ちし崖一面の蕗の薹
まんさくや曲り屋にもう馬は居ず
まんさくや遠くに居はす師は如何に
梅の枝は縦横にあり春の雨
チューリップ今日は休日朝の雨
オカリナに薄き寒紅残りけり 
氷柱の戸押して出にけるスキー客
初稽古額に少しは汗ばみて
地吹雪のバス停に立つ雪女
寒菊を頬に埋めて見送れり

♪(*^。^*)♪ 2007年2月21日 水曜日

冬鴬むかし王維の垣根かな  蕪村

朧夜の夢のかけ橋君在す
春雨に君転勤の一人旅
一山の笑へば連山みな笑ふ
一山の笑へば連山笑ひけり
蒲公英の萌ゆればやがて野の授業
春雨に濡れし雨傘隠し持つ
百姓の跡継ぎ失せて冬桜
春雨にけぶりし蘭の展覧会
底冷や君を思へば髪乱れ  
囲炉裏の火ちろちろ燃やすスキー宿
ここにまた春の足音聞こへけり
そこかしこ春の訪れあるような
吹雪ける駅のに灯りのただ一つ
白鳥の夫婦寄り添ひ羽揃ふ
柊の葉に触れし指先傷みけり
新年会かくも高層レストラン

♪(*^。^*)♪ 2007年2月20日 火曜日

白菖蒲ほぐるる力もて揺るる 江口井子

つきながら紙風船のふくらみ来   井崎桂子

少年や六十年後の春の如し  永田耕衣

とにもかく朧のなかの至福かな
西行の辞世もかくや朧の夜
合宿の話はずみておぼろの夜
夢に逢ふ父の眼差しおぼろの夜
おぼろ夜を破りて炎ゆる都かな
投句して少し安堵の朧かな
友と共俳句談義の朧かな
目つむりしあはひに落ちし椿かな
目つむりし暫しのあはひ落ち椿
落ちて尚くれなひ残す椿かな
いま春のたゆたき睡り愉しめり
大根を赤子のやうに抱きけり
いま春のたゆたき眠り新聞来
子雀の手鞠のごとく遊びけり
沈丁の綻ぶを待つ朝かな
子雀の手鞠のごとく遊ぶ春
遥かなる筑波の峰の初日の出

♪(*^。^*)♪ 2007年2月19日 月曜日

弘川寺奥山かけて咲きみつるゆかりの桜ちるを惜しめり  中本由紀子

荒れはつる庭木に水やり思ひ居り果たして是なるか延命治療   名古屋史郎

鮟鱇の裂き干しを販ぐをみならもミサは欠かさぬ耶蘇の裔なり  小林八州男

ぎしぎしと動き出したる雪解川   三上冬華

落ちてこそ紅あざやかな椿かな
良寛の里より賜る草の餅
俳諧は心の支へ桜草
申されるよはひに見えず春日傘
その方に逢えば俳談春一番
友よりの旅の誘ひや山笑ふ
色白の俤かくす春日傘
風花のバス停しばし一人ぼち
初夢の川の底まで清かりし
新年会遥かに富士を望む席
新年会遥かに筑波望む席
たちまちに空の吸込む放れ凧
来し坂は七曲がりにて梅うるむ

♪(*^。^*)♪ 2007年2月18日 日曜日

日本語は今も清しくあるらむと海渡り吾が帰り来にけり 小暮政次

温めるも冷やすも息や日々の冬  岡本眸

花種を蒔き常の日を新たにす   岡本眸

初電車待つといつもの位置に立つ 岡本眸

星空へハンカチ貼って生きむかな 岡本眸

うつむけば髪の触れける桜草
その昔石炭暖炉燃ゆる朝
オカリナは癒しの音か早春賦
初夢の初恋の人おさげ髪
初夢のかの人今もおさげ髪
梅の香や平均寿命未だ来ず
シベリアの便りを運び白鳥来
古希今は老いと言われぬ雪椿
雪椿古希は老いとは言はれずに
雪椿古希は老いとは言ひ難たく
時雨るるや手荷物重き帰り道
地に落ちてなほも鮮やか紅椿

♪(*^。^*)♪ 2007年2月17日 土曜日

敷島のやまと心を人問はば朝日ににほふ山桜花 本居宣長

道行の相合傘も初芝居  黛まどか

夕星に遅れて灯す一葉忌 黛まどか

篁に一水まぎる秋燕  角川源義

黒船の故事を語りて冬うらら  松鯉

煮凝や雀のこぼす笹の雪  晏梛みや子

蒲公英をいとしと思ふわれも亦
日々咲ける蒲公英めでて歩みけり
紅梅の空には重き雲あまた
紅梅やあまりに重き雲あまた
先生の挨拶まずは梅うるむ
紅梅のうるめば空の重さかな
冬ざれの寂しさに耐へ笛を吹く
煮凝りを舌に転がす朝の粥
大寒の冷たき水に驚きぬ
出初式鳶は纏を高く揚げ
職退きて胸の奥には冬桜

♪(*^。^*)♪ 2007年2月16日 金曜日

微風  伊藤桂一
掌にうける
早春の
陽差しほどの生甲斐でも
ひとは生きられる

春立てば消ゆる氷の残りなく君が心は我に解けなむ  読み人知らず  古今集

凍天や一打入れば割れさうな      岩津厚子

追ひ抜いて行くハイヒール息白し  松井秋尚

落ち椿あはれと思ひ掌にくるみ
そっと掌に載せていたはる落椿
おもかげを見せずや白き春日傘
出初式鳶は梯子で逆立ちす
放れ凧吸込まれゆく空の奥
春隣り畑の土も柔らかに
春隣り風も少し柔らぎて
稽古始めの折紙はみょうと鶴
千代紙の鶴の折紙始めかな
古稀の坂越えたる苑に冬の薔薇
古稀の坂ややく越えて冬桜
初日記夢のひとつを記しけり

♪(*^。^*)♪ 2007年2月15日 木曜日

梅一輪一輪ほどの暖かさ  嵐雪

むめがかにのっと日の出る山路かな 芭蕉

梅咲いて十日に足らぬ月夜かな  暁台

紅梅と故人の如く対しけり  富安風空

紅梅の見えるところの玻璃くもり  能村登四郎

紅梅や比良の高ねに雨の雲  蕪村

紅梅にふはとかかりぬ昼の月  中勘助

おもちゃ屋の窓からひとつ石鹸玉
まつさらな空ひとり占めとんび凧
糸切れし凧の行き先吾知らず
糸切りて凧は大空ほしいまま
綿雲に解けて仕舞ひぬ凧ひとつ
連凧のてっぺん遥か雲の上
持たされて痛くなりける凧の糸
とんび凧雲の回りを回転す
謙信公刀かざしぬ凧大き
海岸に凧の病院ありにけり
青空に吸ひ込まれけり放れ凧
糸切れし凧の行き先もう見えず
返り花職退きてよりスニーカー
冬うらら水平線にヨットの帆
冬うららウインドサーフィン走る波

♪(*^。^*)♪ 2007年2月14日 水曜日

一とせに一度摘まるる薺かな 松尾芭蕉

わが街は海より暁くる初明り  稲畑汀子

湯島より見下ろす上野春おぼろ 
来し方は山坂ばかり梅の花   
玄関を開けば香る蘭の花
新年や寝るも起きるも紺作務衣
獅子舞の四面四角な御慶かな
穏やかな新年願ひ初詣 
灯籠は心の灯し初詣  
水汲めば山茶花の散る泉かな
俳友と俳諧談義松の内
七草に添へて給はるお強飯
幹に耳当てて聞けり冬木音
冬木音聞かむと幹に耳寄せる

♪(*^。^*)♪ 2007年2月13日 火曜日

ちりぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ  細川ガラシャ 辞世

鳶の笛国見の山の笑ひけり
菜の花は岬いつぱい濤高し
投句して少し安堵の朧かな
おぼろ夜の一斉炎ゆる焼夷弾
水いまだ手に冷たきや白水仙
親鳰の水尾に続きし子鳰かな
山笑ふ明るき色のシャツ買はむ
猫の髭親しと思ふ漱石忌
板前の長身にして桜草
さざなみの志賀に泊まりて蜆汁
豆腐汁とろりとしたるきのこ味
無口なる歯科医育てる桜草
歳月の余りに早き冬桜草
もう春の気配の風のなか
厨ごとして思ひけり日脚伸ぶ
生駒より大和の国や日脚伸ぶ
水仙に涙のやうな水の玉
古稀にして愁ひの多き花見かな
ひとしきり童に返り凧あげる
春風の遊行柳と遊びけり

♪(*^。^*)♪ 2007年2月12日 月曜日

見わたせば山もとかすむ水無瀬川夕べは秋となに思ひけん  後鳥羽院

銜へたる鴬笛の羽青く    岩垣子鹿

春あさき大同江に舟一つ  絹谷幸二

野に帰れ高穂木寒く休耕地 絹谷幸二

笑ひ止む迄灸点の待て居る  柳多留

冬寒しときどき夢におどろきて 矢島渚男

古稀なればいよいいとし桜草
ささ舟の流るる川辺豆の花
豆の花咲けり一の橋二の橋へ
せせらぎの聞こへ咲き初む豆の花
花模様水着うるはし初泳ぎ
雛まつりままごと程の昼の膳
ままごとの程の昼餉や山笑ふ
大那智の瀧のてっぺんほとぎす
花エリカしばらく賞でて昼食会
早や躑躅しばらく賞でて昼食会
焼夷弾人焼き尽くす弥生かな
白梅をちりばむ空の青さかな
早咲きの桜を見たる疲れかな
焼夷弾すべて焼きける弥生かな
花見旅小さな弁当ひとつ持ち

♪(*^。^*)♪ 2007年2月11日 日曜日

中年や遠くみのれる夜の桃  西東三鬼

梅の風あれば心もうるみけり
My heart becomes peaceful if there is wind of the plum flower.

雪はげし抱かれて息のつまりしこと  橋本多佳子

隠岐やいま木の芽をかこむ怒涛かな  加藤楸邨

太陽に愛され山の眠りけり  鈴木節子

今年また一病息災初日の出
今年また一病息災初詣
司会者のみちのく言葉初うたげ
いくたびか代読もある出初式
雨後光る寒の牡丹の柔らかに
柔らかな朝の日差しや寒牡丹
雨粒を含み開きし寒牡丹
寒牡丹この世のものと思はれず
木枯しの駅頭で待つ小半時
マフラーを目深くかぶり電車待つ
一向に医者現れぬ虎落笛
チューリップ赤白黄色内科院
町角の医院赤白チューリップ
診察券入れる窓口チューリップ

♪(*^。^*)♪ 2007年2月10日 土曜日 曇 晴 16℃

願はくは花のしたにて春死なむそのきさらぎの望月のころ  西行

胎内で足蹴ってゐる初湯かな  坂本緑

初夢のなかにしづかに光るもの   明隅礼子

女房をちっと見直す松の内  江戸川柳

以下自作自訳 拙い訳で恐れ入ります。

桜餅包める葉こそ味深し
Cherry blossoms rice cake.
The taste of the wrapped leaf is deep.

総玻璃のホールに大きい松飾り
One big New Year's pine decorations in the glass hall.

初詣夢またひとつ願ひけり
The first visit to the shrine.
My wishes were a dream and a hope.

書初は半紙いつぱい夢一字
 The calligraphy of the New Year is one letter of the dreams in the Japanese writing paper fullness.

雪野原一縷の大河蛇行せし  
One large river meanders in the snow field.

山茶花に会釈をなして泉汲む
I greet the flower of the sasanqua, and draw water of the spring.

去年今年一瞬走る矢のごとし
As being the arrow which a moment running to last year and this year.

去年今年寝るも起きるも紺作務衣
Last year, this year.
I wear dark-blue work clothes when I sleep but I stay awake.

飛行機の翼の傾き初明り
The first light of New year which can be seen when the wing of the airplane leans.

獅子舞の四面四角な面構へ
The face of the four sides square of the lion dance.

玄関に香り溢れる蘭の花
An entrance is full of the smell of the flower of the orchid.

俳友と逢ふもめでたき二日かな
It is lucky  January 2 to meet the friend of the haiku.

梅林のまこと目出度き雪催ひ
The wood of the flower of the ume.
A really lucky snow scene.

♪(*^。^*)♪ 2007年2月9日 金曜日

山茶花の一輪開く賀状かな 麦秋
One circle of the sasanqua blooms in the New Year's card.

菜の花や女目医者の痩せぎみで
Rape flowers and a woman eye doctor tend to become thin.英
Las flores de la violación y un doctor del ojo de la mujer tienden para convertirse delgadamente.スペイン
雪どけの音聞いて居る朝寝哉  几董

梅一輪一輪ほどの暖かさ  嵐雪

むめがかにのっと日の出る山路かな 芭蕉

梅咲いて十日に足らぬ月夜かな  暁台

紅梅と故人の如く対しけり  富安風空

紅梅の見えるところの玻璃くもり  能村登四郎

紅梅や比良の高ねに雨の雲  蕪村

紅梅にふはとかかりぬ昼の月  中勘助

春うららスニーカーに履替へて
うららかや友より旅の誘ひ来て
春うらら忘るることに拘らず

♪(*^。^*)♪ 2007年2月8日 木曜日

堂守が堂閉ざすとも鳰ひとつ呼ばれしごとく寄り来たるかも 伊藤桂一

さびしさよこの世のほかの世を知らず夜の駅舎に雪を見てをり  河野裕子

冬の日ゃ馬上に氷る影法師  松尾芭蕉

ことごとく未踏なりけり冬の星  高柳克弘

老人が雪を払ひぬ鷹のごと  小林千史

繭玉のさくら色より明けにけり  三橋鷹女

天草の朱欒の浮かぶ湯に入りぬ 大野今朝子

熱燗を溢るほどに注ぎにけり
初春の風を通せし埴輪の目
小春日の風を通せし埴輪の目
穏やかな顔との別れ花八ツ手
冬野菊焼場に向かふ別れかな
振向けば父の眼差し春おぼろ
夢に見る父の若さや春おぼろ
夢に逢ふ父の眼差しおぼろの夜
夢のまた一つ願ひし初詣  
賀状には夢の一字を書き加へ
初夢に逢ひたる君と思ひけり 

♪(*^。^*)♪ 2007年2月7日  水曜日

縄梯子バグダッドの空に垂らされて炎ゆる人らが登りはじめる  梅内美華子

美しき春の七曜またはじまる  山口誓子

立春のその後の寒さ言ひ合へる  石坂友二

川波の手がひらひらと寒明ける  飯田蛇笏

雛壇を俳壇のごと見上げたり  中原道夫

炬燵出て歩いてゆけば嵐山  羽多野爽波

盆梅のそばにカチリと指輪置く  羽多野爽波

明日の朝貰はる子犬花あんず
宿題の解けざる夢や花曇
別れぎは話がはずみ宵桜
新しき暦に記す通院日
賜りし君のやうなる桜草
捨て難たき過去を捨つるや冬桜
ランドセルそつと降ろしぬ桜草
未熟の子ようやく入学桜草
賜りし手の温かや桜草
賜りし三日後開く桜草

♪(*^。^*)♪ 2007年2月6日  火曜日

是がまあつひの栖か雪五尺  小林一茶

むまさうな雪がふうはりふはりかな  小林一茶

降る雪や明治は遠くなりにけり 中村草田男

いくたびも雪の深さを尋ねけり 正岡子規

雪はげし抱かれて息のつまりしこと  橋本多佳子

しんしんと雪降る木曽に安らげり 中村苑子

雪国に子を生んでこの深まなざし  森澄雄

春愁は珈琲の如くや甘く苦し
早春譜吹きて始まるコンサート
令夫人は薄けはひにて初稽古
シャツ少し汗ばむばかり初稽古
少しばかり汗ばむばかり初稽古
雪中の岩に孤高の海鵜かな
風邪ひきて聞こへぬ耳を回しけり
冬日差し求め浮かびぬ錦鯉
譲られぬ一局の碁や初稽古
一局は勝を譲られ初碁会
ご祝儀に勝譲れし初碁会
碁仇を互いに誉めて新年会

♪(*^。^*)♪ 2007年2月5日  月曜日

豆撒の園児等鬼になりたがる  西村妙子
かわいい鬼だって沢山います。

レモネード少女ひそかに身ごもりて  平迫千鶴
切ない俳句ですな。レモネードが素晴らしき俳句を引き締めています。

次の世の扉や白き風抜ける  並木赤平
すごく心に迫る句であるが、季語は無いのが気になる。これは無季俳句であるか、はたまた俳句でない一行詩であるか。麦秋の希望はやはり季語が欲しい。

仰山に猫いやはるわ春燈 久保田万太郎
「ぎょうさん」は沢山、「いやはる」はおられるの関西方言。それにしても捌けた俳句である。

大雪や胸を埋めてりんごの樹 対馬智恵子
大雪のなかで健気に春を待つ林檎の木。それにしても胸とは飛躍した表現である。

しあはせは玉葱の芽のうすみどり  入船亭扇橋
これは大傑作。多くの俳人は見習うべきである。見習わないと廃人になるぞ。

人を待つための黄昏寒ぼたん  神田松鯉
きっと寒牡丹のような凜とした美人を待ちます。

うっとうしい税金申告冴え返る
身に重き税金申告春寒し
春宵や見知らぬ犬に懐かれし
行商の春菜商ふ良き日和
幸せは小さきが良し桜草
初舞ひのをみな一際あでやかに
初舞ひのをみな一際軽ろやかに
成人の日はかく祝はざり吾が二十歳
成人の日も休み無き吾が二十歳
成人の日も休まざり吾が二十歳

節料理作る身に添ふ作務衣かな
Work clothes which meet my body are put on, and I make New Year cooking.

♪(*^。^*)♪ 2007年2月4日 日曜日

2007年NHK全国俳句大会で入選された俳句のなかから麦秋の好きな俳句を鑑賞させていただきます。

ももの花この母の背に負はれしか  中筋のぶ子
ももの花が万感の思いを表しています。お母上の思いを「もも」と仮名で柔らかに表現されました。

手袋に手話の手しまふ別れかな 橋本謙吉 
別れに万感の思い。

一秒も狂はぬ時計そぞろ寒  石川友子
神よ私たち人間の過ちを赦し給え。時計は少しはくるってていいよ。

端居して忘れられたり忘れたり 木村斐子
人生はすべて忘却の彼方にあり。

さみしさが爆発してる曼珠沙華 雨宮玲子
この方はエネルギーがあります。麦秋のさみしさは深く沈殿します。

春の波何にぶつかつても光る 大島厚子
春の海の明るさ。

終戦日浜いつぱいの海月かな 山口静香
太平洋に散った若者の霊が故郷を恋して泣いています。

かなかなや藁もて磨く父の鍬 熊倉しづ
父への追憶が藁もて磨く鍬で具象的に表現されています。

揚ひばりおのれの声に乗りにけり 名本喜美
おのれの声に乗りなんて素晴らしい表現力、麦秋はこの表現ができぬ凡人。

降ろされて花野の牛となりにけり  松永かの子
花野の牛の表現がすばらしい。

山芋の大地の力すり下ろす 長瀬和枝
大地の力とは凄い表現です。
 

♪(*^。^*)♪ 2007年2月3日 土曜日

詩人の辻井喬さんは2007年読売文学賞 詩歌俳句賞を受賞されました。御目出度うございます。

辻井喬

暗い空に耐へる
やさしさのために
凍った風のなかの
希望のために
梢に拡がる空に
むかって鳥を放とう

唐紙の白を離るる人の影  上野龍子

紺空に花をかかげし桐の花
青空に紅梅の点ちりばめし
青空に朱をちりばめし梅の花
如月の空の広さや友優し
石蕗咲けば何故か思ひはいにしへに
小春日の丘にひとつの文学碑
読み難き句碑の一基や石蕗の花
読み難き句碑の一基や冬桜
ポケットに季寄せ一冊日向ぼこ
ポケットにオカリナひとつ日向ぼこ

♪(*^。^*)♪ 2007年2月2日 金曜日

いつか光さす眼と信じ雑煮食ぶ  木村風師

春近し天体といふ大時計 城所志門

雪晴れのまま最澄の山に夜  丸山分水

耳あけや今年もええこと聞けるよに  渡辺てい子

山形県飯豊山麓の大黒祭は12月9日。耳の遠い大黒さまに願いを聞いていただくために「耳をあけ」て貰わなければならない。面白い季語ではありませんか。
普通の歳時記には掲載されていないのは残念です。

賜りし君のやうなる桜草
はるばると海原超えて白鳥来
亦しても睦月の夢の苦さかな
まづ記す一病息災初日記
まろやかな横綱人形睦月尽
買ひにける横綱人形睦月尽
まろやかな相撲人形冬うらら
買ひにける相撲人形冬うらら
花時計三色すみれ花ざかり
花時計三色すみれ正午報
アムールの彼方より白鳥来
古稀にして一病息災初日記

♪(*^。^*)♪ 2007年2月1日 木曜日

伊豆の海や紅梅の上に波ながれ  水原秋桜子

漁火の沖にまたたく夜涼かな   安藤ヤエ子

国後島は美しかりし月の弓   藤田和夫

少年と少女が独楽をたたかはす  島村正

ねんねこの人を真中に花の道  上田健三

起きて一人海へ見送る後の月  高田湖雲子

方形に円美しや初土俵       松平吉生

みな過ぎて鈴の奥より花のこゑ 黒田杏子

ラ・フランスいつから梨のプリンセス 鈴木栄子

朝靄を譲り会ひたり長い坂  森村誠一

俳諧にひととせ耽り年忘れ
I am absorbed in the haiku poem for one year. It is forgotten this year.

今年また一病息災年忘れ
One sickness but maybe happy  forgotten again this year.

機関車は今は休める冬桜
A locomotive is rested now. Winter cherry blossoms.

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